Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

カレーの後にチャイやラッシーが出て来る訳

寒い時期になると食べ物に温かさだけでなく、辛さを求めることがあります。カレーやキムチ鍋など。辛ければ辛いほど口の中全体が燃えるような感覚になり、体が温まります。私たちは味を舌で感じていますが、辛さは独特の反応を示します。舌には味細胞があり…

人工甘味料

今、どのような形でアメリカの現大統領が退任するのか、世界が注目しています。4年前の就任時、彼は1日12本ものダイエットコークを愛飲しているということが話題になりました。このコーラは人工甘味料を用いることで、カロリーを抑制しています。使用されて…

亜硝酸ナトリウム

ハム、ソーセージなど加工肉の発色剤として用いられる亜硝酸ナトリウムについてです。東京都福祉保健局のページから引用します。「食肉中のヘモグロビンやミオグロビンと結合して、食肉製品を鮮赤色に保たせる効果があります。アスコルビン酸などの発色補助…

オリーブオイルと一緒に食べる

パンやパスタなどの糖質を、オリーブオイルと一緒に摂ると血糖値の上昇が緩やかになるということです(出典:ダイヤモンドオンライン2017.10.24より)。 パン単独で食べる場合に比べ、バターを塗った場合でも血糖値の上昇が緩やかになりますが、オリーブオイ…

ポテチvs.コーヒー

食品中に含まれれる「アクリルアミド」の存在が指摘(2002年)されてから20年近く経ちます。アクリルアミドは生化学実験にも使う試薬で、学生時代の実習では「神経毒なので気をつけるべし」と習いました。ポテトチップスに含まれることを聞いたときはぎょ…

オルニチン

私たちの体内では、タンパク質がアミノ酸に分解され吸収されています。アミノ酸はいろんな化学変化を受けたのち、最終的にはアンモニアを生成します。しかし、アンモニアは人間にとって毒ですので、肝臓で尿素に変換され、その後排泄されます。 肝臓でアンモ…

コエンザイムQ10

しばらくテレビなどでみなくなったので、どうなったのかインターネットで検索すると、、、ゾロゾロ出てきました、健在です、コエンザイムQ10(CoQ10)。 CoQ10は細胞の中、ミトコンドリアでエネルギー代謝に関わっています。CoQ10の持つ還元作用(抗酸化作用…

みかんのスジ

季節柄、冬場になるとみかんの話題が多くなります。みかんの薄皮やスジは明らかに「食物繊維」という言葉にぴったりです。血糖値の上昇を緩やかにする「水溶性食物繊維」と排便を促す「不溶性食物繊維」があります。 さらに、みかんの薄皮やスジには、ポリフ…

カルニチン

2つ前の記事で、ミトコンドリアの脂肪が燃焼されることを書きました。正確には脂肪に含まれる「脂肪酸」がミトコンドリアに運ばれ、酸化されて、エネルギー(ATP)を作ります。 ミトコンドリアは二重の膜(外膜と内膜)で構成されていて、脂肪酸は内側の膜…

ヨーグルトがゴロゴロしない訳

日本人には、牛乳を飲んだ後にお腹がゴロゴロする人が多くいます(乳糖不耐症)。牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)はラクターゼという酵素で分解されます。乳糖が分解されずに残ったままだと、水分が大腸内に引き込まれ、下痢の原因となりゴロゴロするので…

本当に脂肪を燃焼してくれる酵素

消化酵素を経口的に摂取しても効果がないことを書きました。では一体、体内で脂肪や糖質を燃焼してくれる酵素はどこにあるのか?「ミトコンドリアのちから」(瀬名秀明、太田成男・新潮文庫)が明快に答えてくれていますので、詳しく知りたい方にはおすすめ…

酵素に罪はない

「酵素で痩せる」などと謳う食品や飲料が出回っているようですが。そのような商品を販売している会社に対して、消費者庁から改善措置命令が出されています(リンク:消費者庁のページ)。 酵素は「タンパク質」でできていますが、食品に含まれる成分である酵…

鶏の胸肉による疲労回復

話題になってからだいぶん経ちますが、鳥の胸肉による疲労回復効果もここで取り上げておきたいと思います。 渡り鳥が飛び続けることができるのは、「カルノシン」という成分が含まれているからだと言われています。「イミダゾールペプチド」という名称でも知…

油の選択

1つ前の記事でEPAを取り上げましたので、脂肪の主成分である「脂肪酸」についてまとめておきます。大きく分類すると、 飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸(オメガ-3, オメガ-6, オメガ-9, ) となります。飽和脂肪酸はバターや肉の脂身に含まれます。不飽和脂肪酸に…

魚を食べて長生きに

ほとんどの方は、魚は肉よりも健康的な食品であるというイメージを持っていると思います。魚がどのように健康にいいのか、ということが「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」(津川友介・東洋経済)で取り上げられています。 「67万人のデータ…

グルコサミン

「グルコサミンはひざに効かない」(山本啓一・PHP新書)には、グルコサミン以外のサプリメントについても面白い話題がたくさん紹介されています。 本書の冒頭ではグルコサミンがなぜ効かないのかの説明が述べられています。軟骨の成分ヒアルロン酸の原料が…

カラメル色素の区別は困難?

食品添加物に関する著作で有名な渡辺雄二氏の「体を壊す10大食品添加物」の帯には「がんになりたくなければこれだけは食べるな!」とのメッセージがあり、注意を引きます。 第一章では10大食品添加物の紹介があり、中でも、食品を褐色に着色する「カラメル色…

和食の年代比較

日経サイエンス「食と健康」の「1975年の食卓 食から読み解く日本人の健康」の記事を読みました。東北大学のグループの研究で、2005,1990,1975,1960 年の日本食を1週間分(21食)が作製され、フリーズドライして粉末化してマウスに与え、健康に与える…

ブログの開始

生化学研究者Dr.Salmiが気になる食に関する話題を中心に紹介して行きます。