Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

グルコサミン

 「グルコサミンはひざに効かない」(山本啓一・PHP新書)には、グルコサミン以外のサプリメントについても面白い話題がたくさん紹介されています。

 本書の冒頭ではグルコサミンがなぜ効かないのかの説明が述べられています。軟骨の成分ヒアルロン酸の原料がグルコサミンで、グルコサミン自身は「ブドウ糖」から作られます。私たちはブドウ糖を1日に300-400g(でんぷん由来も含め)摂取しているので、サプリメントでグルコサミンを1-2g摂ったぐらいではヒアルロン酸を作らせる「圧力」にならならず、痛みを改善することはないと解説されています。

 一方、国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」というサイトでは、文献情報を基に 「グルコサミン硫酸塩の摂取が骨関節炎におそらく有効であり、重篤で慢性的な骨関節炎の痛み緩和には効果がないことが示唆されているものの、その他の有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。」という見解が示されています。まったく何の効果もないとも言えないが、炎症を抑えるような劇的な効果はないというところでしょうか。