Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

カレーの後にチャイやラッシーが出て来る訳

 寒い時期になると食べ物に温かさだけでなく、辛さを求めることがあります。カレーやキムチ鍋など。辛ければ辛いほど口の中全体が燃えるような感覚になり、体が温まります。私たちは味を舌で感じていますが、辛さは独特の反応を示します。舌には味細胞があり、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味をキャッチし、味覚神経に伝えています。では辛味はどこで感じているのでしょうか?

 辛味は味覚神経では伝えられず、「体性感覚神経」によって伝えられ、辛味の感覚は痛覚の一種とされています。辛味の成分のほとんどが水に溶けにくい性質を持っています(脂溶性)。辛味成分は、口腔内の細胞が何層も重なった層の下にある「辛味受容体」にくっついて、辛さを伝えることになります。

 酸味やうま味は水に溶けやすい(水溶性)ので、唾液に溶け、舌の上にある味細胞の受容体に素早くくっついて、それぞれの味を伝えることができます。一方、辛味は細胞膜を通過するのに時間がかかるので、あとからじわじわとやって来ます。

 さらに辛味成分は脂溶性なので唾液で流れにくく、口腔内での辛さはなかなか抜けません。水を飲んでも同じことが言えます。早く消し去りたいのであれば、脂溶性成分を含む牛乳などの方が効果的です。激辛カレー屋で、食後にチャイやラッシーが出される理由は、以上のように説明ができます。