Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

ポテチvs.コーヒー

 食品中に含まれれる「アクリルアミド」の存在が指摘(2002年)されてから20年近く経ちます。アクリルアミドは生化学実験にも使う試薬で、学生時代の実習では「神経毒なので気をつけるべし」と習いました。ポテトチップスに含まれることを聞いたときはぎょぎょっとしました。

 「アクリルアミドは、炭水化物を多く含む原材料を高温(120℃以上)で加熱調理した食品に含まれる可能性があります。例えば、ポテトチップス、フライドポテトなど、じゃがいもを揚げたスナックや料理、ビスケット、クッキーのように穀類を原材料とする焼き菓子などに、高濃度に含まれていることが報告されています。 コーヒー豆、ほうじ茶葉、煎り麦のように、高温で焙煎した食品にもアクリルアミドが高濃度に含まれていることが報告されています。」(出典:農林水産省のページ「食品に含まれているアクリルアミド」より)

 ちょうど、この記事を書きながらコーヒーを飲もうと思っていたので、ため息が出ました。 

 実際どのくらい含まれているのかを比較します。上記農水省のサイトでは2006年と2013年のポテトチップスに含まれるアクリルアミドが比較されています。6,7年の間に半分近く減少し、2013年では0.48mg/kg(平均値)となっています。

 一方、ポテトチップスに関しては別のサイト(「全日本コーヒー協会」のサイト)を参照します。液体ベースで0.003~0.01ppmとなっていました。抽出方法が家庭で一般的に使う方法なのかどうなのかわかりませんが、多いほうの値を比較対象にしたとしても0.01mg/kgということになります。多く見積もってポテトチップスの1/10程度ということが言えます。

 ただ、コーヒーをガブガブ飲む人、例えば1杯200mLとして、10杯ぐらい飲むとポテトチップス1袋分(200g)ぐらいのアクリルアミドを取ることになります。そんなに飲む人はあまりいないかもしれませんが、濃いコーヒーをグビグビ飲みながら、ポテトチップスを勢いよく食べるのは避けたほうが良さそうです。