Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

亜硝酸ナトリウム

 ハム、ソーセージなど加工肉の発色剤として用いられる亜硝酸ナトリウムについてです。東京都福祉保健局のページから引用します。「食肉中のヘモグロビンやミオグロビンと結合して、食肉製品を鮮赤色に保たせる効果があります。アスコルビン酸などの発色補助剤と併用されることが多く、ボツリヌス菌の繁殖を抑える効果もあります。」

 亜硝酸ナトリウムは発色の他に、細菌増殖の抑制を目的に用いられていますが、一方で、発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあるとも指摘されています。使用基準値は0.070g/kgと定められています(参考:農林水産省「硝酸塩の健康への影響」)。

 発ガン性物質の生成源になるということについては事実ですが、がんの発症との直接的関係については、肯定的、否定的な論文が混在している状況です。ただ、赤い肉(牛肉、豚肉など)や加工肉は、摂取量によって大腸がんのリスクを10%以上増加させることが指摘されています。

 亜硝酸ナトリウムそのものについて引き続き注意していく必要がありそうですが、同時に肉や加工肉のとりかたについても、よく調べ、よく考えていく必要がありそうです。