Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

油の選択

 1つ前の記事でEPAを取り上げましたので、脂肪の主成分である「脂肪酸」についてまとめておきます。大きく分類すると、

  1. 飽和脂肪酸
  2. 不飽和脂肪酸(オメガ-3, オメガ-6, オメガ-9, )

となります。飽和脂肪酸はバターや肉の脂身に含まれます。不飽和脂肪酸についてさらに詳しくみていきます。

 ω-3系やω-6系は栄養学上「必須脂肪酸」とも呼ばれます。体内で細胞膜を作るなど大切な働きをしている一方、体内で作ることができないので食品から摂取しなくてはいけません。

「腸に悪い14の習慣」(松生恒夫・PHP新書)では、潰瘍性大腸炎クローン病ではω-6系の摂りすぎが炎症を悪化させていると指摘されています。さらに、ω-6系は大腸がんの促進にも関与しています(発症には関与せず)。

 ω-3系とω-6系の理想的な血中比率は1 : 2と言われてますが、それを超えてω-6系の方が多くなると、急激に死亡リスクが高まるこという研究結果もあります。残念なことに、今の日本人における比率は1 : 10でω-6系が過剰になっているという指摘もあります。ω-3系を増やすには、やはり青魚を積極的に取りたいところです。また、ω-6系を摂り過ぎている場合は他の油に置き換えていく必要もありそうです。