Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

牛乳が睡眠を助ける

 満腹の時やアルコールを飲んだ時に眠たくなります。満腹まま寝ると健康に良くなく「牛になる」と言われてきましたが、睡眠を助けてくれる食品として、牛乳が挙げられます。睡眠を促すメラトニンが含まれているのが理由です。

 フィンランドの研究(Nord J Psychiatry. 2005;59(3):217-221)では、夜間に取れた牛乳を飲んだ場合、睡眠の質が上がったという報告があります。夜に取れた牛乳(ナイトミルク)には10倍近いメラトニンが含まれているとこのことです(J Sci Food Agric 2014;94: 1688-1692.)。

 また、ブラジルの研究(J Appl Animal Res 2019; 47(1):140-145)では、メラトニンの含量について、搾乳の時間だけでなく、季節についても検討されています。夏場のナイトミルクは、冬場のナイトミルクの約2倍のメラトニンを含むことが明らかになっています。

 日々飲んでいる牛乳にメラトニン含量が少なかったとしても、残念がる必要はありません。牛乳には、メラトニンの元になるアミノ酸トリプトファンも含まれています。日光の合図でメラトニンの合成が始まります。体内でトリプトファンからメラトニンが作られ、眠りを促す血中濃度を得るには、朝、きちんと日光を浴びることも大事です。

 ついでに、牛乳が飲めない方は、さくらんぼにメラトニンが含まれているのようですので、試してみられるのもいいかもしれません。