Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

あまり意味がない?ビールのプリン体ゼロ

 DNAやRNAの構成単位は「ヌクレオチド」と呼ばれます。このヌクレオチドが体内で分解されるとプリン体(プリン塩基)が生成します。プリン体は尿酸に変化しますが、血中尿酸濃度が高まると関節に結晶としてあらわれ、痛風の原因となります(健康な人の濃度 7.0mg/100mL 以下)。

 尿酸の元になるプリン体の摂取が少なくなれば、痛風のリスクを下げることができると期待できるのは間違いではありません。事実、ビールで「プリン体0」と謳っているものが販売されています。しかし、もともとビールに含まれているプリン体の濃度は4~7mg/100mLです。

 ところが、この値をはるかに超えるプリン体を含む食品がたくさん存在します。例えば、鳥レバーやカツオなどは300mg/100g 以上、豚・牛レバーで200~300mg/100g、肉類のその保垢の部位、魚類でも100~200,g/100g含まれています。ですから、痛風を予防したいのであれば、飲むビールをプリン体ゼロに変えるより、こういった食品を食べ過ぎないことの方が重要です。

 また、プリン体はうまみ成分でもあるので、これをゼロにするとビールの味も落ちます。落ちた味を補うために添加物が入っているので、普通のビールを適度に楽しむ方が良いと言えます。