Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

Fugu

 「秀吉が禁じ伊藤博文が解いた「フグ食」、調理資格に「全国統一」の動き」(読売新聞オンライン:2021年1月15日) によると、

 「調理を誤ると命にかかわる「毒」を持つことから、都道府県はそれぞれフグ調理の資格に関する条例などを定めている。だが実は、資格の認定基準は地域ごとにバラバラだ。国はようやく統一に乗り出したが、全国で同じレベルのフグさばきは実現するだろうか。」 この記事によると実技試験があるところと、ないところがあるということです。安心して食べるためにも、是非、資格の基準は高いレベルの方に統一していただきたいですね。

 フグは英語でも「Fugu」で、海外からも関心の高い日本料理の食材です。学生の頃、研究室に来訪したドイツ人の先生方が河豚料理屋で、てっさを食べる前にやたら興奮していたのを思い出します。青酸カリの1000倍近くの毒性を持つフグ毒、テトロドトキシン(TTX)を体内に持っていたかもしれない生き物を、初めて目の前にすると当然のリアクションですが。

 フグに含まれるTTXの量には大きな個体差があります。これはフグ自身が毒を作っているのではなく、食物として取り入れたものの中にTTXが含まれ、それが体内に濃縮されるので個体差が現れるそうです。ですので、TTXが最大限含まれるフグを基準に、新しいルール作りが進むことを期待します。