Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

ビタミンDは何に入っている?どれくらい日光に当たればいいの?

 昨日の投稿で、ビタミンDの低下がウイルス感染症のリスクを上げることを書きましたが、摂れば摂るほど良いというわけではなく、過剰摂取にならないように注意も必要です。

 ビタミンDの過剰摂取は、「腎臓や筋肉へのカルシウムの沈着や軟組織の石灰化が見られます 。その他の症状としては、嘔吐、食欲不振、体重減少などが起こることがあります 。」(引用:医薬基盤・健康・栄養研究所 食品の安全性・有効性情報)

 特に、サプリメントなどによる取りすぎには注意しましょう。

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 ビタミンDの一日の食事摂取基準が8.5μg(=0.0000085g)です。食品でとる場合の参考値として、100gあたりのビタミンD含有量を上げておきます。

  動物性:かつお(塩辛)120μg、紅鮭(生)33μg、さんま(生)19μg

  植物性:キクラゲ85μg(乾)、干し椎茸(乾)12μg、えのき茸(生)0.9μg

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 魚類やキノコ類は積極的にえのき茸でビタミンDの必要量を賄うには、900g近く食べなくてはならず現実的ではありません。しかし、さんまだと50gで基準値に達しますので、1/3尾(1尾175g)で十分ということです。サーモンより地味な色合いですが、回転寿司ではさんまを是非食べたくなったでしょう?

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 さらに食品だけでなく、私たちが日光を浴びるときに作られるビタミンDも重要です。皮膚が紫外線を受けることによっても、ビタミンDが合成されます。

 以前、体内で5.5μgのビタミンDを合成するのに、どれくらい日光に当たればいいのか、ということが調査されています。「7月の晴天日の12時には、札幌・つくば・那覇ではそれぞれ、4.6分・3.5分・2.9分で必要量のビタミンD生成を行うことができます。一方、12月の晴天日の12時では、那覇では7.5分、つくばでは22.4分で生成するのに対し、太陽高度の低い札幌では、必要量のビタミンD生成に76.4分という長い時間が必要」ということです。(引用一部改変:国立環境研究所

 通勤通学、スポーツをしているとさほど心配ありませんが、閉じこもりがちの方は、食事での摂取量を考えながら、1日20~30分程度の日光浴を意識したいものです。紫外線のあたりすぎはシミの原因になりますので注意しつつ、ビタミンDを増やして免疫力をupさせるために、少なくとも上記の時間は戸外に出るのが良いようです。

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