Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

安心して卵がけご飯が食べられる理由

 人気のある「卵がけご飯」は日本の伝統的なメニューの1つです。その他にも、すき焼きや納豆など、日本の食の様々な場面で生卵が出てきます。我が国では、卵の衛生管理が徹底しているということで、生卵を食べることができます。

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 なぜ、海外では生卵を食べることができないのか? それは、日本ほど衛生管理がされず、サルモネラ菌wikipediaリンク)による食中毒の危険性が高いからです。硬い卵の殻にどうやってサルモネラ菌が混入するのか疑問でしたが、2つのルートがあるようです。

 まず、サルモネラ菌に感染した鶏からフンと共に菌が排泄され、卵殻に付着します。卵殻には呼吸のために多数の細孔がありますが、クチクラというタンパク質が存在していて、細菌の侵入から守っています。細菌をひび割れがあるとそこから侵入する可能性が出てきます。

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 もう1つのルートは、鶏の卵巣内に存在するサルモネラ菌が、卵に直接以降し、産卵される場合です。

 生産者はワクチンの接種や、餌の衛生管理を徹底して、国内の卵のサルモネラの感染率を0.003%に抑えています。10万個に3個という割合です。仮に、生まれて毎日1個、70年間食べ続けても、3万個も食べられません。サルモネラ菌に当たる可能性は1回有るか無いかです。

 さらに、サルモネラ菌が存在していたとしても、食中毒の発症にはある程度の菌数が必要になってきます。卵の賞味期限は、サルモネラの菌数が急激に増殖するまでの期間を元に設定されているので、これをしっかり守っている限りは安心して、卵がけご飯が食べられます。

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