Dr_Salmiの研究室

食にまつわる話題

続く食品偽装〜なぜ終わらないのか

 1ヶ月ほど前のニュースですが食品偽装に関する報道がありました。

「中国産小豆使用の粒あん「十勝産」と偽装し販売 旭川の製餡所」(産経新聞2020年12月14日)によると、旭川市の食品製造業「福居製餡(あん)所」が、販売する粒あんに中国産の小豆を使用しているにもかかわらず、十勝産と偽装して販売していたと発表した。(中略)製餡所は道の調べに『十勝産小豆が高騰したため、中国産にした』という趣旨の説明をしている」ということです。

 生命に関わる感染症関連の話題の陰で、あまり目立って話題にはなりませんでした。しかし、昨年に始まったコロナ感染症以降も、このような食品偽装の問題がちらほら出てきます。

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 今回のニュースは2007年のミートホープ社による牛肉ミンチ偽装事件(100%牛肉と表示しながら、豚、鶏、パンの切れ端などを混入)ほどのインパクトはありません。ただ、対象があんこであってもミンチであっても、我々消費者は、生産者の表示を一つ一つ確認することが困難です。それをいいことに、こういう事件がだらだらと生じていると考えられます。

 食品偽装で思い出す小説に、芥川龍之介の「羅生門」があります。話の中で、蛇を干魚として売っていた女の記述があります。これは小説の世界での話ですが、不景気や困窮がこのような食品偽装つながるとすれば、積極的にメディアが声を上げ、当局がインパクトのある罰則を持って対応をしていかないと、無くならないのではないかと思いました。

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